「ダイナミックディスクが無効になった」問題をどのように解決しますか?

HDD上の1つのパーティションを拡張しようとするとき、「ディスクの管理」でダイナミックディスクからベーシックディスクへ変換するように要求されたことがあります。しかし、変換に失敗してダイナミックディスクが無効となっていることもあります。この記事では、無効になったダイナミックディスクを復旧する方法についてご紹介します。

ゆき

投稿者:ゆき/更新日:2024年03月18日

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OSのクリーンインストール後、取り外していた256GB SATA SSDを接続した時にそれは起きました。パソコンに接続してもマイコンピュータに表示されず、ディスクの管理で無効化されているという症状です。

調べてみたところ、OS上からは「データを初期化してベーシックディスクに変換する」しかできない状況です。つまりデータを残したまま再認識させるには、それ以外の方法を取らなければなりません。

さらに調べたところ、データを残したままでディスク形式を変換する方法はパーティション管理ソフトを導入して、ベーシックディスクへ変換することです。

--遭遇したトラブル

ダイナミックディスクは無効になった状況

いつ、ダイナミックディスクは無効になった問題が発生しますか?

❶コンピュータシャーシまたはPCアクセサリー(コンポーネント)を変更・交換すれば、ダイナミックディスクは無効となっていることがあります。

❷ダイナミックディスク(リムーバブルディスク:取り外し可能な記憶装置)を別のコンピュータに接続したあと、ダイナミックディスクが無効になり、すべてのデータを読み込めないことがあります。

❸コンピュータに2つのオペレーティングシステム(デュアルシステム)がインストールされています。1つのOSでダイナミックディスクが正常に表示されますが、もう1つのOSでダイナミックディスクが無効と表示され、読み取れないディスクになることがあります。

ダイナミックディスク 無効

💔ダイナミックディスクは無効になったときの症状まとめ
「ディスクの管理」では認識されていますが、Windows 10の「ディスクの管理」で「ダイナミックディスク 無効」と表示されます(Windows 7の「ディスクの管理」で「ダイナミックディスク 異形式」と表示されます)。
パソコンに認識できなくてExplorer(エクスプローラー:ファイル管理ができるアプリ)に表示されません。
パーティション(ボリューム)操作はできないし、データにアクセスできません。
OS上からベーシックディスクに変換できますが、データは消えます。

異形式

ベーシックディスクとダイナミックディスクについて

HDDの扱いには「ベーシックディスク」と「ダイナミックディスク」があります。通常のHDDはベーシックディスクで扱われ、必要に応じてダイナミックディスクに変換されることもあります。

ベーシックディスクとダイナミックディスク

ベーシックディスクについて

ベーシックディスクとは、Windowsのストレージ管理方式の一つで、従来からある、単純で固定的な領域管理を行うもの。Windows 2000で登場した「ダイナミックディスク」と対比して旧来の方式をこのように呼んでいる。

IT用語辞典 e-Wordsにより

ベーシックディスクでは領域のことを「パーティション」と呼びます。1台のHDDをパーテーションで区切って複数台のHDDとして使用することができます(内部を複数の独立した領域に区切ります)。

ベーシックディスクのMBRでは最大4つのプライマリパーティションまたは、プライマリパーティションが3つ、拡張パーティション(拡張パーティションの中にはさらに論理ドライブを複数作成できます)が1つ作成できます。また、2TBしか認識できないという容量制限があります。ベーシックディスクのGPTでは128個までのパーティションを作成できます。容量制限も8ZBまでなので、ほぼ制限がないと思ってよいです。

従来形式のため、多くのOS(Mac、Windows、Linuxなど)に対応しており、マルチブートと呼ばれる複数OSの混在もできます。また、OSはパーテーション毎にしか入れれらないため、複数のOSを1台のHDDに入れる場合はベーシックディスクでなくてはいけません。

※注:複数のOSが入っているベーシックディスクをダイナミックディスクに変換したあと、現在ブートしているOSを除いて、ほかのOSが起動できなくなります。

ダイナミックディスクについて

ダイナミックディスクとは、Windowsのストレージ管理方式の一つで、領域の分割や統合を柔軟に、動的に行うことができる方式。基本的な管理方式であるベーシックディスクと対比される。

IT用語辞典 e-Wordsにより

ダイナミックディスクでは領域のことを「ボリューム」と呼びます。ドライブをボリュームで論理的に区切ることになります。装置全体が1つのパーティション(つまり、1ドライブに1パーテーションのみ)で、その中にボリュームを2000個まで作成することができます。

ダイナミックディスクは、1つのボリュームが1つ以上の物理ディスク上で連続していない領域を持つことを可能にします。※つまり、複数台のHDDに渡ってボリュームを作成することができます。

このように、ダイナミックディスクは容量制限もなく、パーティションの自由度も高いです。しかし、従来の環境と互換性がなく、Windowsの独自仕様なので、他のOSやパーティション管理ツールでは、ダイナミックディスクに対応していない場合が多いです。

🎃補足:ダイナミックディスクは「シンプルボリューム」「スパンボリューム」「ストライプボリューム」「ミラーボリューム」の4種類があります。
「シンプルボリューム」は一般的な領域のことです。「シンプルボリューム」以外に拡張されたボリュームが3つあります。
「スパンボリューム」は複数のディスクにまたがって1つのボリュームにできます。HDDを2本使って、それをCドライブにすることができます。
「ストライプボリューム」は複数ディスクに同時アクセスするため速いという特徴があります。
「ミラーボリューム」とは複数のディスクに同時に書き込みます。ハードディスクを2つ使用し、2つに同時に書き込めば、1つのハードディスクが故障してももう1つのハードディスクが使えるため、何かあったときのための保険として使えます。

ベーシックディスクとダイナミックディスクの違い

パーテーションの分割とボリュームの作成は似ていますが、ベーシックディスクとダイナミックディスクには大きな違いがあります。以下のようにまとめます。

比較項目 ベーシックディスク ダイナミックディスク
管理区分 パーティション ボリューム
対応OS Windows以外も可 Windowsのみ
容量制限 2TBまで(MBRの場合) なし
スパンボリューム 非対応 対応
ストライプボリューム 非対応 対応
ミラーリング 非対応 対応
ベーシックディスク→ダイナミックディスクへの変換はそのままできますが、ダイナミックディスク→ベーシックディスクへの変換はディスクの中身をフォーマットして初期化する(データを失うことになる)必要があります。つまり、ベーシックディスクからダイナミックディスクへはいつでも変換できますが、その逆はHDDが空の状態でないといけません。

ダイナミックディスクは無効になった原因

ダイナミックディスクは無効になった主な原因は、以下のようなことが考えられます。

●一部のWindowsオペレーションシステムは、ダイナミックディスクをサポートしません。例えば、すべてのHomeエディション(Windows XP Home、Windows Vista Home Basic、Windows Vista Home Premium、Windows 7 Home Basic、Windows 7 Home Premium、Windows 8 Home......)、Windows 2000以前のOS(Windows 98、NT、MS-DOS......)、Windows 7 Starterではダイナミックディスクがサポートされていないので、「無効」と表示され、使用できなくなります。

●ダイナミックディスクに関する一部の情報はレジストリに保存されています。ダイナミックディスクを別のコンピュータに接続しても、一部の情報はそのWindowsのシステムレジストリに記録されていないので、ダイナミックディスクが「無効」となり、認識されないことがあります。こういう時に、ダイナミックディスクに関する情報をすべてレジストリにインポートする必要があります。

また、情報インポート中に、別のオペレーティングシステムと互換性がない場合に「ダイナミックディスクが無効になった」エラーも発生します。

※補足:レジストリとは、Windowsにおいて、システムプログラムやハードウェア、ユーザプログラムなどのシステム情報が格納されているデータベースのことです。

ダイナミックディスクからデータを復元する方法

如何なる操作を実行する前にAOMEI Partition Assistantのようなデータ復旧ソフトを使用して、無効になったダイナミックディスクから失われたデータを救出する(取り戻す)ことができます。

手順 1. AOMEI Partition Assistantを起動したら、「復元」タブで「データ復元」をクリックします。

データ復元

手順 2. Windowsデータ復元画面が表示されたら、対象のSSDを選択し、「スキャン開始」をクリックします。

スキャン開始

手順 3. スキャンが完了したら、復旧可能なデータがすべて表示されます。復元したいデータを選択し、「復元」をクリックします。

復元

手順 4. 復元したデータを保存するパス(フォルダ)名を指定したら、データ復旧が始まります。

完了

復元が正常に完了すると、指定したパスに復旧したデータが保存されています。

無効になったダイナミックディスクを復旧する方法

 

無効となったダイナミックディスクの復旧方法を教えてください。

自作PCにてハードウェアRAID(ミラー)構成を組み2年ほど運用しておりましたが、突如、ミラーディスクがエクスプローラで認識されなくなりました。

......

--Yahoo!知恵袋からの質問

解決策1:ダイナミックディスクを再接続

ダイナミックディスクは無効になったエラーを修復するためにまず、HDDの接続を確認してください。HDDの接続不良(ケーブルの接続不良)が考えられる場合、ダイナミックディスクを再接続することができます。

手順 1. パソコンをシャットダウンします。

手順 2. パソコンからダイナミックディスクを取り出し、SATAケーブルと電源ケーブルを抜きます。

ディスクを再接続

手順 3. ダイナミックディスクをSATAケーブルと電源ケーブルで正しくパソコンに再接続します。

手順 4. パソコンを再起動し、「ディスクの管理」でダイナミックディスクがまだ「無効」と表示されているか確認します。

しっかりと奥までケーブルが接続されていてもダイナミックディスクが「無効」と表示される場合、ケーブルが破損している可能性があります。別のケーブルに変更してみてください。

解決策2:パソコンのOSを更新

上述のように、一部のWindowsオペレーションシステムではダイナミックディスクがサポートされていないので、ダイナミックディスクに対応可能なOSにアップグレードするか、ダイナミックディスクとの互換性があるOSを再インストールすることができます。

以下の手順でWindows Updateを実行し、パソコンを最新の状態に更新してください。※以下の手順で更新できない場合は、お使いのパソコンメーカー様にお問い合わせください。

💡ヒント:お使いのパソコンのOSにより手順が異なります。ここではWindows 10が例として挙げられます。

手順 1. Windowsの「スタート」をクリックし、「設定」をクリックします。

手順 2. 「設定」画面が表示されます。「更新とセキュリティ」をクリックします。

手順 3. 「更新プログラムのチェック」をクリックします。

手順 4. 「今すぐインストール」をクリックします。

手順 5. Windows Updateが完了したら、パソコンを再起動します。

解決策3:ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換

TestDiscでパーティション復旧が確かに行えるし、「ディスクの管理」でベーシックディスクへの変換も可能になりますが、「ボリュームの削除」が必要なので、データがすべて消えてしまいます。次は、データを失うことなく、無効になったダイナミックディスクを復旧する方法についてご紹介しましょう。

ベーシックディスクに変換する

▶AOMEI Partition Assistant Professionalを使う

AOMEI Partition Assistant Professionalは強力なディスク管理ソフトで、データを残したままダイナミックディスクからベーシックディスクへ変換することができます。簡潔で分かりやすい画面の指示に従って、誰でも(パソコン初心者でも)簡単かつ高速に操作を完了することができます。

手順 1. このソフトウェアをお使いのパソコンにダウンロードし、インストールし、起動します。

Proのデモ版 Win 11/10/8.1/8/7
安全かつ快適
ヒント:デモ版は動作確認の目的でのみ使用されます。つまり、デモでは、すべての機能をプレビュー、すべての操作をシミュレートすることしかできません。

手順 2. ツールバーの「変換」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「ダイナミックディスク変換器」をクリックします。

ダイナミックディスク変換器

手順 3. Dynamic Disk Converter(ダイナミックディスク変換器)の画面が表示されるので、「次へ」をクリックします。

次へ

手順 4. 必要に応じて、適切な変換方式を選択し、「次へ」をクリックします。

変換方法を選択

手順 5. 後は、ベーシックディスクに変換したいダイナミックディスクを選択し、ガイドに従って変換操作を完成させます。

これだけでなく、HDDをうまく管理できる為に、AOMEI Partition Assistant Professionalはパーティションのサイズを変更、パーティションを移動/結合/分割、OSをSSDに移行、ブータブルCDを作成、アプリを2つのパーティション間で移行するなど、もっと高度な機能を備えています。

▶AOMEI Dynamic Disk Managerを使う

AOMEI Partition Assistant Professionalのほか、AOMEI Dynamic Disk Managerを利用してデータを残したままダイナミックディスクをベーシックディスクに変換することもできます。

AOMEI Dynamic Disk Managerは、ダイナミックディスク&ダイナミックボリュームを管理するためのソフトウェアです。データを失うことなく、ダイナミックディスクとベーシックディスク間での変換を実行できます。Windows 11/10/8/7/Vista/XP/2000それにWindows Server 2000/2003/2008/2011/2012/2016/2019/2022に対応します。

手順 1. AOMEI Dynamic Disk Managerを起動します。※ヒント:AOMEI Dynamic Disk ManagerがAOMEI Partition Assistant Professionalに搭載されているので、AOMEI Partition Assistant Professionalからダイナミックディスクを選択し、AOMEI Dynamic Disk Managerを起動することができます。

AOMEI Dynamic Disk Manager

手順 2. AOMEI Dynamic Disk Managerでダイナミックディスクを右クリックし、「Convert to Basic Disk(ベーシックディスクに変換)」を選択するか、左側の「Convert to Basic Disk(ベーシックディスクに変換)」を選択します。

convert-to-basic-disk

手順 3. 後は、ガイドに従って変換操作を完成させます。

ダイナミックディスク管理ツールとして、AOMEI Dynamic Disk Managerは数回のクリックだけでダイナミックディスクとベーシックディスクの間で変換を行うほか、ダイナミックボリュームを作成/削除/フォーマット/リサイズ/移動したり、既存のアレイ(RAID構成)に物理ドライブ(HDD)を追加/削除したりすることもできます。

解決策4:ダイナミックディスクに関する情報をインポート

手順 1. 「コンピュータの管理」画面から「ディスクの管理」を実行し、異形式となっているダイナミックディスクを右クリックし、メニューから「形式の異なるディスクのインポート」を選択します。

形式の異なるディスクのインポート

手順 2. 「形式の異なるディスクのインポート」画面でインポートするディスクグループを選択し、「OK」クリックします。

手順 3. 「形式の異なるディスクのボリューム」画面でボリュームの状態が「OK」と表示される(そのディスク上のデータにアクセスできるようになる)ことを確認し、「OK」クリックします。

これで「ディスク管理」画面にダイナミックディスクが正常に表示されるはずです。エクスプローラーからも、HDDは問題なく認識されています(認識されるまでに若干待ち時間があるようです)。書き込みと読み込みのテストを試して、問題がないことを確認します。

解決策5:Diskpartでダイナミックディスクを再アクティブ化

お使いのWindowsオペレーションシステムでダイナミックディスクがサポートされています。また、ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換したくない場合、Diskpartを利用してダイナミックディスクを再アクティブ化することができます。

手順 1. 検索ボックスに「cmd 」と入力し、 コマンドプロンプトを「管理者として実行」します。

手順 2. 次のコマンドを 1 つずつ入力し、Enter キーを押します。

diskpart
list disk
select disk n(nは無効になったダイナミックディスクのディスク番号です。)
online disk
exit

操作完了後、「ディスクの管理」を再び開き、「ダイナミックディスクが無効になった」問題を解決するか確認します。まだ「無効」と表示されている場合、「ディスクの管理」で対象のダイナミックディスクを右クリックし、「ディスクの再アクティブ化」を選択してください。

ディスクの再アクティブ化

無効になったダイナミックディスクに関するFAQ

ダイナミックディスク無効とは何ですか?

ダイナミックディスク無効とは、Windowsオペレーティングシステムで使用されるストレージ形式の一つで、ディスクが正しく認識されない状態を指します。通常、これはディスクのパーティション情報が破損しているか、システムにエラーが発生している場合に起こります。

ダイナミックディスク無効の原因は何ですか?

主な原因は以下の通りです:

ディスクのパーティション情報の破損
ハードウェアの故障や問題
Windowsのシステムエラー

ダイナミックディスク無効を修正する方法はありますか?

はい、修正する方法があります。以下の手順を試してみてください:

ディスクのスキャンと修復を試みる
ディスク管理ツールを使用してパーティション情報を修正する
ディスクのドライバーを更新する
システムの復元ポイントを使用して以前の安定した状態に戻す

ダイナミックディスク無効を修正できない場合、どうすればよいですか?

修正できない場合は、以下のオプションが考えられます:

データのバックアップを取り、ディスクを初期化してから再度作成する
専門家に相談して、より高度な修復手法を検討する
ダイナミックディスクからベーシックディスクに変換してみる(注意が必要です)

ダイナミックディスク無効を未然に防ぐ方法はありますか?

はい、いくつかの方法があります:

ディスクの定期的なメンテナンスとスキャンを行う
システムのバックアップを定期的に取る
ディスクの使用状況を監視し、異常を早期に検知する

あとがき

ダイナミックディスクは優れたディスク管理方式のように聞こえますが、実はクセモノです。様々な原因により、無効となっている場合が多いです。そのため、ダイナミックディスクは極力使わない方がいいです。無効になったダイナミックディスクを復旧するために、本記事で紹介した方法を試して、ダイナミックディスクを再接続するか、パソコンのOSを更新するか、データを失うことなくダイナミックディスクをベーシックディスクに変換する(最も実用的だと思う・一番おすすめ)ことができます。そのほか、ダイナミックディスクに関する情報をインポートするか、ダイナミックディスクを再アクティブ化することもできます。

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ゆき
ゆき・編集者
ゆきは、AOMEI Technology会社の編集者として長年AOMEI製品についての記事やコンピュータに関する記事を翻訳したり、書いたりしています。パソコンの基礎知識とか、AOMEI製品の機能について詳しいです。IT業界に対して深い興味を持っています。そのほか、旅行、アニメ、音楽、色々なことに趣味があります。